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道路にある「ひし形◇」ってどんな意味?忘れやすいが理解するべき交通ルールの基本

皆さんは街を歩いていたりする時、道路でよく見る「ひし形」マークの意味についてご存知でしょうか?

車の免許を持っている人は、自動車教習所で一度は習っているはずなのですが、忘れている人が意外と多いようです。

今回はそんな道路に書かれている「ひし形」マークの意味について解説していきます。

目次

よく見る道路の「ひし形」の意味って?

道路のペイントでよく書かれている「ひし形」とはどんな意味なのでしょうか?

その意味とは「前方に横断歩道または自転車横断帯あり」です。

基本的に横断歩道や自転車横断帯の30メートル手前に1つ、50メートル手前に1つというふうに合計2つのマークを設置することになっています。

「ひし形」を設置することは、以下の目的があって設置します。

  • 道路を車で走行するドライバーに向けて「この先に横断歩道・自転車横断帯があるよ」と知らせる。
  • ドライバーに注意させ、横断歩道を渡る歩行者・自転車横断帯を渡る自転車の安全を図る。

ただし、すべての横断歩道や自転車横断帯にこの「ひし形」があるわけではありません。

設置されるのは条件があります。

「ひし形」設置される条件とは

「ひし形」が主に設置されてる条件とは、次の2つです。

  1. 横断歩道等の設置場所に信号機が設置されていない道路
  2. 道路または交通の状況により、横断歩道等の存在がその手前から十分に認識できない道路

つまり「ひし形」は、信号機のない横断歩道や見通しの悪い環境で横断歩道や自転車横断帯の手前にあるということになります。

特に注意するべき場所に設置されていることから、運転中に見かけたドライバーは注意して運転することが必要です。

進路に「ひし形」発見!どうするべき?

では実際進路に「ひし形」を発見した場合、どのように対応するべきでしょうか?

道路交通法第38条には次のように定められています。

第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。

 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。

(罰則 第百十九条第一項第五号、同条第三項)

道路交通法 e-Gov法令検索より引用

進路に「ひし形」を発見し、車や自転車で横断歩道や自転車横断帯に接近する場合には、直前で停止できる速度で走らなければいけません。

横断する歩行者や自転車を確認した際には、横断歩道等の直前で一時停止し、横断を妨げないようにしましょう。

具体的な速度については明記されていませんが、スピードを出しすぎているのであれば徐々に落とし、横断歩道や自転車横断帯の手前で安全に止まれるように調節しなければいけません。

横断する歩行者や自転車がいないことが確認できれば、また通常の速度に戻し走行します。

また、横断歩道等の直前で停止している車や自転車を確認した場合は、その側方を通り前へ出る前に一時停止しなければいけません。

これは車や自転車の影から歩行者が飛び出してくる可能性があるためです。

同じ理由で、横断歩道等の手前30メートルでは追い越し、追い抜きは禁止です。

もし違反してしまったらどうなるのか

明らかに渡ろうと待っている歩行者・自転車を無視した場合は、どうなってしまうのでしょうか?

警視庁のホームページによると、罰則として3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金、反則金として大型車12,000円、普通車9,000円、二輪車7,000円、原付車6,000円となり、違反点数2点加算されます。

歩行者・自転車との事故は、相手の生命に関わる重大な事故になりかねません。

金額だけ見ると人によって受ける印象は様々ですが、その違反行為によって歩行者・自転車運転者の生命が失われることを考えると、罰としては軽いと考えられます。

誰にとっても事故を起こさないに越したことはありません。

反則金の金額や点数の大小ではなく、事故を起こしたことによって変わってしまう被害者の人生の重み、違反の重大さを再確認し、今一度気を引き締めて安全運転に臨むようにしましょう。

違反しないために心がけること

違反しないためにはどのように心がけた方が良いのでしょうか。

以下の点を心がけて運転しましょう。

「ひし形」マークや横断歩道・自転車横断帯、歩行者や自転車をいち早く認識すること

違反しないしないために最も重要なのは、道路上の「ひし形」マークや横断歩道・自転車横断帯、歩行者や自転車をいち早く認識し、車両のスピードを落とすことです。

万が一、不意に歩行者や自転車が飛び出してきた時に、すぐに停止させることができます。

そのためには普段から時間に余裕のある生活を心がけましょう。

急いでスピードを上げなくても済むように早めに出発するようにする、普段から制限速度を超過しないように心がけて運転する、という普段からの意識が大切です。

停止車両の側方を通るとき、一時停止する

都心部によくありますが、横断歩道の近くであってもやむを得ずトラックやタクシーが止まっている場合があります。

そうした場合、普段であればその側方を通過するかと思いますが、歩行者や自転車が飛び出してくる可能性が考えられますので、通る際には一時停止し通過するようにしましょう。

例外として、信号機のある横断歩道等で歩行者や自転車の横断が禁止されている状況では除外されますが、事故を起こさないようにするには、細心の注意を払いながら通行するのが良いでしょう。

横断歩道等の手前では追い越し・追い抜きをしない

横断歩道は歩行者が、自転車横断帯は自転車が横断してよいとされている場所です。

自動車で通行する際は、事故を防止するため歩行者や自転車に細心の注意を払う必要があり、その手前30メートル以内では「前方を進行している他の車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。」とあります。

いわゆる「追い抜き」と「追い越し」を禁止するということです。

「追い越し」「追い抜き」は通常、追い抜かれる自動車のスピードや位置に注意しながら、さらに速度を上げる行為です。

横断歩道等の周辺では、歩行者や自転車の位置・行動の予測も同時にしなくてはいけません。

事故を防ぐには、無理をせず速度を落として、安全に通行することを意識しましょう。

「ひし形」の意味を再確認することが安全運転の第1歩

「ひし形」に限らず、道路上のありとあらゆる標識・標示には必ず意味があります。

横断歩道等における死亡事故は現在もなくなっていません。

事故をなくすために、横断歩道や自転車横断帯の存在をドライバー(ライダー)が認識することは、非常に重要です。

もう一度、「ひし形」マークと歩行者保護について意識して考え、行動してみましょう。

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