みなさんレタスといえば、どのような姿が思い浮かびますか?
おそらく球状に丸まったレタスや、球状にならない葉っぱの先に色がついているレタスだと思います。
実は他にも面白い種類のレタスがあるんです!
そんなレタスの種類や歴史、簡単に栽培方法についても紹介していきます!
レタスの特徴
まず、レタスの基本的な特徴についておさらいしていきましょう。
レタスとは?
- 分類:キク科アキノノゲツ属
- 学名:Lactuca sativa L.
- 英名:Garden Lettuce
- 原産地:地中海沿岸から中近東、インド、西アジアなど諸説あり
レタスは歯切れがよく、シャキシャキとした食感で、サラダになくてはならない野菜です。
味噌汁などのスープ系、鍋料理や炒め物に入れてもシャキシャキ感はなくならず、食感を楽しむことができます。
サラダ菜は結球レタスよりカロテンやビタミンEが豊富で、鉄分などミネラルも多く含みます。
レタスの種類
レタスには多くの種類があり、それぞれ異なる特徴があります。
- 玉レタス:別名「クリスプヘッドレタス」とも呼ばれ、店頭でよく見かける品種のひとつ。一般的にレタスというと、玉レタスのことを指す。パリッとした歯ごたえがあり、生のままでおいしく食べれる。
- サニーレタス:リーフレタスの一種で葉先が赤紫色、やわらかい葉質が特徴。苦味がほとんどなく、生のままでも食べやすい品種。加熱する場合は、さっと火を通すのがおいしく仕上がるのでおすすめ。
- ロメインレタス:半結球タイプのレタス。エーゲ海のコス島が原産で、別名「コスレタス」と呼ばれるほか、「立ちチシャ」という呼び名でも流通している。
- グリーンリーフ:リーフレタスの一種で、別名「グリーンカール」とも呼ばれている。葉が緑色でカールしているので、サラダに加えると華やかな印象になりおすすめ。生のままだと、少し苦味があるのが特徴。
- フリルレタス:リーフレタスの一種で、たくさん切り込みが入ったような葉が特徴。葉が波打っていて、ドレスやスカートのフリルに似ていることから、フリルレタスと呼ばれるようになった。みずみずしくて苦味がマイルドなので、サラダやサンドイッチなどにおすすめ。
- ブーケレタス:その名の通りブーケのような形。葉は明るい緑色で、少し細長く葉先には丸みのある切り込みが入っている。苦味やくせが少ない味わいなので、生のままいただくのがおすすめ。主に水耕栽培で育てられることから気候の影響を受けないため、通年で流通している。
- サラダ菜:結球レタスの一種。一般的な玉レタスよりもサラダ菜の方が緑色が濃く、食感がやわらかいのが特徴。春の5~6月頃と秋の9~10月頃が旬。
- サンチュ:リーフレタスの一種。葉のフチが波うっているようにちぢれていて、ヒラヒラとしている。焼肉などを巻いて食べるのが一般的な食べ方。
- エンダイブ:苦味があるのが特徴的で、別名「ニガチシャ」とも呼ばれている。レタスに似た形や食感だが、正確にはレタスの仲間ではなくチコリの仲間。
- 茎レタス:おもに茎を食べるレタス。茎の部分の皮をむいてから細切りにし、生食や炒め物、和え物などにして食べられている。葉が若いうちはサラダやおひたしなどで食べることが多い。茎レタスの茎を縦に細く裂き、乾燥させたものは「山くらげ」として流通しているので探してみよう。
スーパーで見る一般的なものから、普段馴染みのない珍しいものまでたくさんあります。
スーパーや八百屋でぜひ一度は探してみると新しい発見があるかもしれません。
レタスの歴史
レタスの原産は地中海東部沿岸地域から中近東、インド、西アジアなどに分布していたと言われています(諸説あり)。
レタスの栽培は紀元前4500年ごろからすでにエジプトで利用されていたそうです。
ただし、当時のレタスはロメインレタスのような結球しないレタスが主流で、玉レタスのように結球するレタスが作られるようになるのは、第二次大戦後に普及し始めたそうです。
ヨーロッパから中国へ西暦600年から900年ごろに入り、同時期に中国から日本へ伝来したとされている。
レタス栽培に向けての準備
レタスを栽培するにあたって、以下の準備を進めましょう。
- レタスに適切な季節・環境
- レタスを栽培するための土づくり
レタスに適切な季節・環境
レタスは春や秋など比較的冷涼で、15〜20度の涼しい気温が適しています。
基本的に少し乾燥気味を好みますが、乾燥しすぎても過湿しすぎても生育にも良くありません。
特に過湿すぎると、病気が発生しやすくなってしまうため、春に栽培する場合は梅雨入り前に収穫するように逆算して栽培すると良いでしょう。
レタスを栽培するための土づくり
レタスは、トマトやナスなどの実もの野菜のように生育期間が比較的長くないため、元肥をタップリすき込んでおく必要はありません。
ただし結球するレタスの場合は、肥料が足りないとうまく結球しないので、元肥を多めに入れます。
肥料は基本的な成分の窒素・リン・カリウム(N・P・K)の割合がバランスよく配合されているものを選んで、土に混ぜてあげましょう。
どんな土でもよく育ちますが、酸性が強い土を嫌うので、できればアルカリ性に土壌酸度を中和できるように、苦土石灰を購入しておきましょう。
プランターで栽培する場合は、肥料入りの培養土をプランターに入れて準備しておくと、元から肥料が入っているので、手間が少なくて済みます。
レタスの手入れと管理
レタスを栽培する場合は、以下のポイントに気をつけましょう。
- 適切な水やりのタイミング
- 病気と害虫への対処法
適切な水やりのタイミング
レタスの水やりは、基本的に「土が乾いたらあげるくらい」で十分です。
指を第一関節くらいまで土に入れてみたときに、土がサラサラしていて指に何も着いてこない状態が水の「やりどき」の目安です。
慣れないうちは指で土をさわって確かめながら、「今はまだ、やらないでも良いかな?」とか、「乾いているから水をあげよう」などと判断してみて下さい。
病気と害虫への対処法
病気は葉っぱが白くなってしまうべと病や斑点を生じながら柔らかくなり腐ってしまう軟腐病に注意が必要で、殺菌剤を早期に散布します。
排水を良くし、土壌が多湿にならないように注意して栽培しましょう。
発病株は速やかに抜き取って適切に処分して、他の植物が病気にならないようにしましょう。
レタスにつきやすい害虫は、ヨトウムシなどのガの幼虫や、アブラムシです。
農薬を使わずに防ぐ方法としておすすめするのは、寒冷紗という布で覆ってしまい、卵が産みつけられるのを防ぐという方法です。
葉と直接触れ合わないくらいの高さのドーム状の骨組みをつくり、寒冷紗をかぶせます。
プランターの場合は、それを紐やゴムでくくって固定します。
畑の場合は、布の裾にあたる部分をレンガや石などで抑えるようにします。その際、害虫が入り込めないようなすき間を作らないように注意します。
また、ナメクジやカタツムリも葉を食害しますので見つけ次第退治します。
収穫
収穫は朝のうちに行います。
結球レタスは球の上を軽く押してみて固さを感じるようになったら収穫タイミングです。
収穫の際は、株元を包丁などで切って収穫します。
結球レタスは結球開始から25~35日で収穫をむかえます。採り遅れると味が悪くなるので注意しましょう。
リーフレタスは内側の葉がやや内側に巻き始めた頃が収穫適期です。
また、株を抜かずに外側の葉から摘み取っていくと、次にまた新しい葉が育つので、長く楽しめます。
レタスの切り口から出る白い液体は、切口を赤く変色させてしまうので拭き取っておきましょう。
ちなみに、液体の成分は「サポニン」で、食欲増進、肝臓や腎臓の機能を高める働きがあると言われており、食べても害はありません。
まとめ
レタスは、トマトやきゅうりなど他の作物に比べて、格段に育てやすい作物の1つです。
この記事をみて、初めてレタスの種類の多さに驚いた方も多いと思います。
この記事を参考にして、レタスの歴史や多様性についても学び、深い知識を深めてください。
あなた自身の庭で新鮮で美味しいレタスを楽しんでみてくださいね。